ポケモンカード 大人が行列する理由
【概要】
-
「大人が買い占めた結果、子どもが手に入れられない」というのは間違い
-
大人が買う理由は3つ。転売用・自分用・子供用。
-
一番恩恵を受けているのは多くの子どもたち。
契機
「ポケモンカードがほしいけど売ってないよ。どこのお店も売り切れてる。どうしたら買えるの。」
小学生の息子から相談を受けた。
一肌脱ぎ、父親らしくカッコいいところを見せてやろう。これが調べ始めたきっかけ。
子どもが買えないのはおかしい
ネットで調べ始めると、主に大人が買っていることがわかった。
子どもに大人気のポケモン。しかしそのカードを、資金力のある大人が買い占め、高値で転売するなんてひどい。
定価販売で買うのは難しい
ネットショップを検索すると、定価5,400円(1箱30パック入り)のカードは10,000~15,000円と高値で売られている。定価販売の店は売り切れ。
さらに調べると、公式ショップのポケモンセンターや、家電量販店(ヨドバシカメラ・ビックカメラ)で並べば定価で買えるらしいことがわかった。すごい行列のようだ。
その後、ポケモンセンターで抽選を行っていることを知り、無事当選、買うことができた。
明確に、大人もターゲット
ポケモンは明確に大人もターゲットにしていることがわかった。公式ショップであるポケモンセンターオンラインを確認すると、
その他大人向け商品は多数ある。
ポケモンカードのランダム性
1パック5枚入りで180円。開けなければどんなカードが入っているかわからない。これだけ聞けば、子ども向け商品です。
しかし、ごくまれにデザインの良いレアカードが入っていることがある。どのくらいの割合で出るかというと、10BOXに1枚程度。つまり、54,000円分買ってようやく出るイメージです。
これは先に紹介した3万円のフィギュア同様、大人をターゲットにしたものです。(レアカードが出るまで数万円使って買い続ける子どもが多ければ、すでに社会問題になっているでしょう)
このレアカードが高値で取引されており、10万円を超えるケースもあるそうです。
大人が行列する理由は3つ
以上まとめますと、大人が行列する理由は下記3つです。
大人 |
転売用 |
A |
自分用 |
B |
|
子ども用 |
C |
長い行列の主たる原因はBです。メーカーが狙った通りの層が、自分でレアカードを引き当てたくて並びます。それに乗じて、Aの転売屋も現れます。
さらに、CMや雑誌・ネットでポケモンカードの新商品発売を知った子どもが、親に頼むのでCも並ぶ。
大行列の完成です。
カードショップにて
実態として、大人だけのポケモンカードになっている。昔から子どもに人気のポケモンが、経済力のある大人のコンテンツになっている。腹落ちしませんでした。
しかしある出来事から、スッキリとすがすがしい気持ちになりました。
それは子どもと二人で立川へ出かけた時のことです。売ってないだろうけど、一応ビックカメラへ行き、売り場を確認。売っているわけがありません。
ネットで調べると、その近くにカードショップという店を見つけました。
エスカレーターで上がりフロアに到着して、びっくり。机とイスがずらーーーーっと並び、空いている席はありません。浪人生がひしめき合う予備校の自習室を思い出しました。
小中高生がポケモンカードで対戦しています。
座席料は無料だそうです。
しかし入手困難なポケモンカードを、なぜこんなにも多くの子どもが買えるのだろう。そのからくりは、店の奥にある販売コーナーでわかりました。
数万円するカードがショーケースの中に並んでいます。どれもすごい値段で、素人にその価値は全く分かりません。
その脇に、「ストレージ」と書かれたサインがありました。目をやると、ポケモンのカードが大量に、1枚33円(税込み)で売られています。
息子は目を輝かせながら、カードを手に取ります。
「お父さん、カイリキーVMAX。欲しかったカードだよ。」
キラキラしたカードで、ショーケースに入っているカードとの違いは素人にはわからない。
「お小遣いで買えるじゃん。いいお店見つけたね。」
子どもにやさしいポケモンカード
カードショップでは1枚33円で売られていましたが、メルカリで検索すると300枚で500円等、さらに安く取り引きされていることがわかりました。
また、数万円もするレアカードはデザインが異なるだけで、対戦するときに強いカードというわけではありません。
テレビゲームであれば、本体とソフトで4万円以上かかります。それと比べて、ポケモンカードは1,000円、2,000円といった少額で十分に遊ぶことができます。
ポケモン好きな大人がお金をたくさん使ってくれるおかげで、レアでないカードが大量に供給され、子ども向けに、安価に提供されるシステムが出来上がっているのです。
ポケモンカードに熱中する子ども
ポケモンカードに熱中する子どもはいずれ大人になります。職に就き、収入を得ます。子どもの頃は買えなかった、美しいデザインのカードが欲しくなります。10万円払えば買えるけど、いや、自分で引き当てたい。ヨドバシカメラに並ぼう。
こうして子どもは大人になってもポケモンを愛するのでした。
めでたしめでたし。
子どもにやさしい。
ポケモンカードで遊んだ子どもは、いずれ大人になります。自分で稼ぐようになり、レアカードが欲しくなって買うのです。