【意見】物価高 ~民(たみ)の見えざる手を振りほどいて~
今までの日本は、とにかく物価が上がらなかった。
というより、世間が上げさせなかった。
消費増税に伴い端数を切り上げただけで、「便乗値上げだ」とつるし上げられた。
少し内容量を減らしただけで、「ステルス値上げだ」と騒がれた。
どう考えてもやり過ぎだった。
世間から嫌われることを恐れ、企業は値上げを拒んでいた。
しかし、ようやく雪解け。
原材料価格高騰や、為替の変動により企業は耐えられなくなり、あらゆる商品やサービスが、いまや値上げされている。
一消費者の短期的な目線では、値上げは嫌だ。今まで通りの値段で買い物がしたい。
一方、日本経済全体の中長期的目線にたてば、相次ぐ値上げはとても喜ばしいことだ。いや、正確には値上げと言うより、企業の意思で価格の変更が柔軟にされることが好ましいということ。
今後は、コストが上昇した場合だけではなく、自社の商品・サービスに今以上の価値があると考えられれば、自信を持って値上げをすることができる。
本来、高いと思えば買わなければいいだけで、世間がとやかく言う問題ではない。
高いと思う人が多ければ売れないだけで、世間に何ら迷惑をかけない。
さぁ、価格の決定権は企業に移った。安くなければ売れない、ではなく高くても売れる商品・サービスが次々と生まれることを期待します。